臨床心理士・公認心理師が教える、心理カウンセラーに向く人・向かない人

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最近お悩みを聞いていると、

「私将来カウンセラーになりたいんです」

「カウンセラーになるために勉強してます」

という方、結構多いです。

ですが専門家からすると、”この人絶対向かないだろうな”と思う人もいるのも事実です。

 

そこで今日は、実際に臨床心理士公認心理師としてカウンセラーをしている私が、

カウンセラーに向く人と向かない人というテーマでお話をしていきたいと思います。

 

最初にまとめると、

【カウンセラーに向く人】

・他社貢献ができる

・パット見の印象が柔らかい

・いろんな意味で普通

・コツコツ頑張るのが好き

・自分と他人を切り離せる

 

【カウンセラーに向かない人】

・自己主張したい(自分の話が多い)

・変わっている

・コツコツ頑張るのが嫌い

・自分と他人を切り離せない

 

です。

 

ではひとつずつ見ていきましょう。

 

 

【カウンセラーに向く人】

「他者貢献ができる」

これは言わずもがなな感じですが…

カウンセリングという行為は、相談に来た方の悩みに寄り添い、一緒に解決をしていくことです。

これは絶対に自分本位ではできませんし、まず相手の立場に立って考えるということです。

他者貢献の精神がなければ、続けていくのは困難でしょう。

誰かの役に立ちたい!という思いの強い方でしたら、最低条件はクリアしていると言えます。

 

「パット見の印象が柔らかい」

これもとても有利ですね。

あなたが相談する側の立場になって考えるとわかりますが、

見るからにきつそうな人、尖っていそうな人に相談したいと思うでしょうか。

あなたなら、どちらの人に相談したいですか?

 

・化粧バッチリ、髪が金髪でネイルもド派手、ピアス何個も空いている人

ナチュラルメイクで髪の色も落ち着いていて、自然体な人

 

これは多くの人は後者ですよね。

(すみません、前者がいけないというわけではないですし、否定はしていません。

それに私の周りでもこういうカウンセラーいます笑)

少なくとも私は後者です。

 

 

「いろんな意味で普通」

これは前の項目と同じような感じですね。

 

 

「コツコツ頑張るのが好き」

カウンセラーは日々、新しい知識が出てくるたびに情報を取り入れながら成長しつづけなければいけません。

学会や勉強会への参加、本や論文を見て自己研鑽、カウンセリングの教育の機会(スーパーバイズといいますが)を受ける必要があります。

カウンセリングをしていないときにでも、カウンセリングをすること・知識を得ることに対してはフルコミットしなければなりません。

カウンセリングだけではないとは思いますが、コツコツ頑張るのが好きな方には、とても向いている職業だと思います。

 

 

「自分と他人を切り離せる」

えっ、最初の項目で、他者貢献大事という話したじゃん?

と思われる方いると思います。

他者貢献の精神はあくまでも最低条件です。

実際、私はカウンセラーになる上でこの項目はかなり重要だと思っています。

相手と自分を重ねすぎてしまう人というのは、相手の悩みにかなり引っ張られてしまいます。

例えば、死にたいという方が相談できたとしましょう。

相手の悩みに引っ張られやすい人は、その”死にたい"という思いに引っ張られ、

自分も死にたくなってしまったり、そこまではいかなくても相当つらい気持ちになってしまいます。

こうなってしまっては元も子もありませんよね。

それに相談者の悩みに寄り添って、乗り越えるための手伝いをすることが仕事なのに、カウンセラー自身が倒れてしまっては相談者さんに失礼です。

ちなみにですが、一日多いときで8名くらいは平気でカウンセリングします。

こうなると数をこなしていくのは困難になりますよね。

 あくまでも極端な例ではありますが、

”自分は自分、他人は他人”

くらい腹をくくっていないと続けていくのは難しいでしょう。

 

 

【カウンセラーに向かない人】

「自己主張したい(アドバイスや自分の話が多い)」

よくカウンセリングを、”アドバイスするもの”だと勘違いされている方いますが、

これは明らかに間違いです(心理カウンセリングの場合ですが)。

もしアドバイスや助言ばかりしてくる人にカウンセリングを受けているのであれば、そのカウンセラーはカウンセリングの本質を理解していないのでやめたほうが良いです。

カウンセリングというのは、相談者の方が主体であり、主役です。

カウンセラーは相談者の方の話を聴き、悩みを解決したり、少しでも楽になるためのお手伝いをしますが、その答えは相談者の方の中にあります。

それはカウンセラーでさえもわかりません。

もしカウンセラーが気づいたとしても、その答えを直接的に言うのではなく、

相談者の方の中にある力を信じ、気づいていただく方向に持っていくというのが役割です。

カウンセリングはカウンセラーの自己表現の場や、アドバイスを披露する場ではありません。

自己主張したい人、アドバイスを披露したい人は、コンサルタントに肩書を変更したほうが良いです。

 

「変わっている」

これは本当に人によります(笑)

刺さる人には本当に刺さりますし、信者と言えるほどカウンセラーのことを崇拝している相談者の方もいます。

ですが、大多数の人には通用しませんし、相談者の方を信者にしても意味はないので、私はおすすめしません。

 

 

「コツコツ頑張るのが嫌い」

これは前述しましたね。

 

 

「自分と他人を切り離せない」

自分と重ねてしまうと、本当にしんどいです。

心身ともに疲弊しますし、これで潰れていったカウンセラーは珍しくありません。

大学院時代にはこれでみんな潰れていましたし、退学した人もいます。

自分の中の解決していない問題やコンプレックスが深く関係していますが、

ここで書くと長くなるのでまた別の機会にします。

 

 

【まとめ】

本日は、カウンセラーに向く人・向かない人というテーマでお話しました。

 

・カウンセラーに向く人は、他者貢献ができる、ふつうでコツコツ頑張るのが好き、自分は自分・他人は他人と考えられる人

・カウンセラーに向かない人】はアドバイスや自己主張したい、変わっていて、コツコツ頑張るのが嫌い、自分と他人を切り離せない人

 

でした。

カウンセラーを目指している人、なりたいなと考えている人は、ぜひこのあたりを参考にしてみてください。

本気で目指すとわかりますが、このあたりは絶対に学生時代につまづいたり、考えさせられる部分ですので、いつかは向き合わないといけません。

 

ちなみにですが、カウンセラーは、

「話を聴いているだけの楽な仕事じゃん?」

と思われることもありますが、決して楽に稼げるような仕事ではありません。

私達は日々、血のにじむような努力をしていますが、それを見せないように振る舞っているだけなのです。

かなり奥深い、大変だけれど、やりがいのある仕事です。

 

 

本気でカウンセラーになりたい方、自分はあっているかわからないけどなりたいという方のコンサルも受け付けています。

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